陸澄録 · §17

因病而薬

日中の功夫紛擾を感じれば則ち静坐し、読書を怠惰を感じれば則ち且つ読書す。対症下薬、一格に拘わらず。

「日中の功夫紛擾を感じれば則ち静坐し、読書を怠惰を感じれば則ち且つ読書す。」

因材施教静坐読書

原文(漢文)

澄、鴻臚寺に倉居し問う。「己の為学、未だ如何なる功夫を用うるかを知らず。」

先生曰く。「為学には須く本原有るべし。須く本原上より力を用うべし。日中の功夫紛擾を感じれば則ち静坐し、読書を怠惰を感じれば則ち且つ読書す。此れ亦因病而薬なり。」

日本語訳

澄、鴻臚寺に倉居し問う。「己の為学、未だ如何なる功夫を用うるかを知らず。」

先生曰く。「為学には須く本原有るべし。須く本原上より力を用うべし。日中の功夫紛擾を感じれば則ち静坐し、読書を怠惰を感じれば則ち且つ読書す。此れ亦因病而薬なり。」

解説

「此れ亦因病而薬なり。」

陽明は画一的な修養法を拒否する。異なる気質・異なる心の状態には異なる処方が必要。散乱した心は静坐を、怠惰な心は読書を。これは実践的知恵であり、硬直した教条ではない。

よくある誤解

✗ 万人に一つの正しい方法がある
✓ 違う——異なる気質には異なる処方が必要。

現代への応用

💡 自己診断

修養を始める前に、正直に自分を診断せよ。散乱?静坐を試せ。怠惰?読書を試せ。陽明の「因病而薬」は最も早い個別対応の修養法。